家の前に着いた。


「……」


久しぶりだからだろうか、自分の家に緊張する。

玄関のドアノブを握った。

静かにドアが開く。

誰かが家の中にいるのか。

視線を下に向けた。

靴が一足もない。


「……」


誰もいないのか。

それなら早く、本を持って帰ろう。

急いで自分の部屋に向かった。

久しぶりの部屋に、少し懐かしさを感じる。

あたしは本を取り、再び玄関に向かった。