「結平…!」


なんとか名前を呼んだ。

結平が手を止める。

そしてゆっくりと立ち上がり、キッチンに向かった。

あたしは急いで後を追った。


「結平…」


結平が水を一気に飲む。

そして荒々しくコップを置いた。


「ごめん…俺、決めたのに…ちゃんと決着つくまでしないって…」

「……」

「本当に…ごめん…」


小さな声で何度も言う。

その時、あたしは初めて分かった。

どんなに結平が辛いのかを…