ド ロ ボ ウ ネ コ (改)

「…っ!ちょっと!やめてよ!」


いくら抵抗してもさすがに男の力には勝てない。

はぁ…

しょうがない。


「先生!誰か来る!」

「え!?」


あたしは力が弱まったすきに逃げ出した。


「ったく、こんな嘘にダマされるなんて、本当にバカだよね」


乱れた髪を直しながら冷たく言う。

呆然と座っている先生を見て、フッと笑った。


「せいぜい奥さんとお幸せに。それじゃ…」


そう言って鞄を持ち上げ、歩き出す。


「黒沢…!」


ドアに手をかけた瞬間、先生が呼び止めた。