ド ロ ボ ウ ネ コ (改)

「いや、もっと子供にならないといけない…」


その言葉に重みを感じた。

このぬいぐるみはあたしを子供として見ている証拠ではない。

もっと子供のように甘えてもいいのだというメッセージだ。


「……」


でも今さら甘えるなんてできない…

今、結平に甘えてしまったら…

あたし…


「な…何言ってんの…」


必死に胸の中で溢れてきたものを押し殺す。

結平を父親だと自分に言い聞かせる。


「誰がなんと言おうとあたしは大人…女だもん!」

「ちーちゃん…」

「…お父さんだからって子供扱いしないで!」


息が弾むほど言い放つ。

しばらく沈黙が続いた。