ド ロ ボ ウ ネ コ (改)

テーブルに飲み物を二つ置いた。

重い空気が流れる。

少しの間、沈黙が続いた。


「…ごめん!チカ!」


沈黙を破ったのは、愛美の予想外の言葉。


「え…?」

「私、知らなくて…」

「何を?」

「結平さんのこと…」


その名前を聞いて、目をそらす。


「結平さんがチカのお母さんと結婚したって…この前結平さんに聞いて…」

「……」

「チカ辛かったよね…なのに私、あんな態度とって…」


ポロリとこぼれた愛美の涙。

変わらない愛美を見て、少し胸が温かくなった。