ド ロ ボ ウ ネ コ (改)

「黒沢、お前大丈夫か?」

「何がですか?」

「生徒たちから黒沢の悪い噂を聞いてな…もちろん僕は信じていないが、今後の勉強の邪魔にならないかと思って…」


足を組み、ヒザの上に手を置いて話す。

左手の薬指には銀色に光る指輪。


「大丈夫です」

「そうか?それならいいんだが…辛くなったらいつでも相談にのるからな」


職員室には誰もいない。

先生とあたしだけ。


「先生…」


あたしは口を開いた。