「愛美…?」


愛美が涙を流しながら、目の前に現われる。


「あの…これは…」


言い訳をしようとしても、上手い言葉が思い付かない。


「…今日二人共様子おかしくて、彼の後をつけてきたら…」

「……」

「ウソでしょ…?ねぇ…チカ!!」


そう言って、愛美があたしの肩を激しく揺すった。


「…ごめん」


謝ることしかできない…


「じゃぁ…今まで彼がしてくれたことは全部…全部チカが教えたことだっていうの?」


ゆっくり肩から手が離れる。

そして愛美とは思えない怖い顔で、あたしをにらんだ。


「…ドロボウネコ…」


その言葉が、あたしの胸を突き刺した。