ド ロ ボ ウ ネ コ (改)

夜、久しぶりに自分のベッドに入った。

今日はゆっくり眠れるような気がする…

眠りに入ろうとしたとき、お母さんが帰ってきた。


「結平~!」


どうやらひどく酔っているみたいだ。

お母さんは子どものように結平を呼んだ。


「ね!しよっか!」

「ダメだって!今日はちーちゃんが…!」


結平の言葉が途中で途切れる。

そしてキスの音が微かに聞こえた。

急に胸が締め付けられる。

なんなんだろう…

この痛みは…

結平に握られた腕は薄く赤く染まっている。

あたしはその腕を握り締めながら、ゆっくりと目を閉じた。

その夜はなぜか、あの声は聞こえてこなかった。