「もしもし…」 「何回も電話してゴメン」 その時、家の外の車の音がなんだかケータイから聞こえた気がした。 まさか、とカーテンを開けて下を見てみる。 2階からであまりよく見えないけれど、あれは聖治だ。 「聖治…今、どこ…?」 「……弥生の家の前」 神様。 あたしにチャンスをください。 今ならちょっとだけ、聖治に甘えられる。 自分の気持ちに素直になれる。 「寂しいの。一緒にいて…?」