さくら、ひらひら。






お見舞い…?


そういえば、俺は弥生の家に何をしに来たのだろう。


散歩?そんなものではなかった。



頭の中には特に何もなかったけれど、

しいて言えば頭の中には昨日の弥生の手のぬくもりしかなかった。


気が付いたら弥生の家の前に立っていた。



これは、この昨日のぬくもりを「もう一度」と感じる気持ちはなんなのだろう。




いや、考えなくても、誰かに聞かなくても

すでにわかっていた。



これが何だか。




きっと、俺は初めてあいつと会った時から―――。



俺は弥生の家の前で一人佇んでいた。







聖治side 終わり