何か思いだせそうなとき、あたしのケータイの着信音で目が覚めた。
タイミング悪すぎ…。
けれど、その相手は聖治で、そんな気持ちなど一瞬で吹き飛んだ。
「もしもし…?」
「あ、弥生?今から二人でどこか…行かないか?」
「ゴメン、今熱があって…」
「…熱?あ、昨日寒かったもんな。ホントにごめんな?今、親一緒にいる?」
「ううん、仕事に行ってもらった」
「一人で大丈夫か?」
「大丈夫だよ」
「そっか…じゃおやすみ」
「え、せい…!」
ピッといきなり電話を切られた。
急にさっきまで平気だった一人、がさみしく感じた。


