もうお別れしなきゃいけないのに、 なんだかすごく不安な気持ちになってあたしは 手をぎゅっと握った。 「弥生…」 少し握り返したことに気付いたのか聖治が少し微笑む。 「弥生…俺…さ、」 言いかけたところでまた沈黙が始まる。 あたしは次の言葉を待ったけれど一向に聖治がしゃべる気配はなかった。 「聖治…?」 ふわりと暖かい風が吹いた。 「俺…弥生の事…」