しばらくして戻ってきた聖治の手にはあたしの大好きなココアと、優依の好きなミルクティーが握られている。 「俺のは!?一応泣いてるんですけど!」 「お前のは…これ」 差し出したのは「ホットおしるこ」…。 「なんで甘いものやねーん!!」 誰もいない教室に大の叫び声が響き渡った。 「嘘嘘。大のはこっち。それ、俺の」 「こーんぽたーじゅ…」 小さな子が言うみたいな幼い口調でつぶやく大が少し可愛く感じた。 「聖治、ありがと」「ありがとう」