さくら、ひらひら。





「…じゃそろそろ出る?」


聖治が少し残念そうに言った。


「そだな、もう時間だな」


「え、もう!?…ほんとだ」


帰りの電車は12:37。

今は12時過ぎぐらいだから、ゆっくり行けば丁度いい時間だ。




「もう準備してある?」


「うん、してあるよ!」


「じゃ、ロビー集合な?」


「了解っ!」





優依と二人部屋に戻る。


「…。結局桜咲かなかったね~」


「ホントだね…。ま、向こうで見ようよ!」


「うん!じゃ、ロビーいこ?」


「行こう~一回大の家に荷物おかせてもらって、そしたらまた遊ばない?」


「賛成!」



明日卒業式だから、少しでも一緒にいたい。

その気持ちはきっと優依も同じなんだろう。