「…セージっ、ぼーっとすんなよ?」 「……ごめん。ちょっと」 「セージ、毎日その桜見てるな?」 「悪い悪い。先帰ってて?」 「へいへい」 セージ、という言葉と 声に反応してしまうあたしは、 やっぱりバカなのかもしれない……。 「…弥生…?」 「……聖治。なんか、久しぶり、だね」 「…」 二人の間を流れる沈黙。 周りには、あたしたちと同じように下校する学生のはしゃぎ声と 近所の人のしゃべり声と 車の音。 「…ここじゃ、うるさいし…どっか…いこ?」 そう声を発したのは聖治だった。