「そうだ、弥生。のど乾いてない?」 「大丈夫。ありがと」 そういってあたしもにこりと笑ったけれど、 苦しかった。 「そっか。だいぶ顔色よくなってきてるな」 目は真っ赤なのに無理やり口元を引き上げて 不自然な笑顔を作る大を見て、 あたしはもっともっと苦しくなった。 同時に、最初にその笑顔を見た時のことを思い出していた――――