さくら、ひらひら。

だって大の泣き顔なんて見られない。


あたしのせいで、辛い思いをさせてるのに

しらじらしく大丈夫？なんて言えない。

大。ホントにごめんなさい。

その時、ちょうどあたしの着信音が鳴り響いた。



「ん…。誰からだろ…。…あ、大。いてくれたんだ？」


あたしはなんて卑怯なのだろう。

大の涙も見て見ぬフリなんて。

真っ赤な目と鼻。

普通に考えて気付かないわけがない。




それでもあたしは弱いから。

大の気持ちに、見えないように
ふたをしてしまうんだ――――――。