君に嘘を捧げよう


*『タクト』視点*

偽者の『霧沢タクト』が俺の愛するアヤネのもとへ行った。

俺が2年前失踪した、ということになっているのは、海外留学してたからだった。

しばらく会えなくなる、ということをアヤネに言って、不安にさせたくなかったから。

もともとアヤネは、遠距離恋愛なんかに耐えられるヤツじゃない。

だから、失踪したフリをした。

だけど、それが空回りしたのかな。

こんなことになるなら、2年前に別れとけばよかった…。

「…負けたよ、偽者」

普通こういうのって、本物が勝つもんじゃないのか?

そう思って、余裕ぶっこいてたけど。

現実は、厳しかった。