自販機を探しながら、俺は思う。 アヤネに好きだと言われると苦しいのは何でだろう。 俺が『タクト』に嫉妬したのは何でだろう。 カイにアヤネを取られそうになると焦るのは何でだろう。 わからなかった。今までは。 でも、答えは簡単だった。 「好きだ、アヤネ…」 俺は、アヤネのことが、 好きだったんだ。