俺は、昨日、レイという一人の女を拾った。
人間に対して、拾ったというこの表現は、間違っているのかもしれないが、他に当てはまる言葉が見つからない。
どこか悩ましげで儚げな、その姿に魅了され、出会って一夜で体を重ねた。
名前は、レイ。
年は17だというが、随所で、俺よりもずっと年上に感じられる。
高校を中退し、両親はいないと言っていた。
本当のことは、わからない。
全て、本当かもしれないし、全て、嘘かもしれない。
彼女は俺に、人は口ではいくらでも嘘を吐ける、と言ったからだ。
だけど、俺は信じたかった。
身体は嘘を吐かないと言った彼女が、
びっくりするほど冷たい、彼女の体温が、
時折見せる、悲しそうな瞳が、
そこから溢れた涙が、
小さな彼女の体には、大きな何かを抱え込んでいるような気がしてならなかった。