だけどそれは、心の中でどこか、そんなの嘘だ、あたしは治るって信じてた自分がいたからだと思う。 「……もうすぐ、ちょうど1年だよ」 いつもの時間、いつもの診察室で巧に話す。 「……あれは、あくまで目安の話だから」 「だけど、その目安まであと3ヵ月、でしょ?」 あたしと目を合わさないようにか、静かになってうつむく巧を一瞥する。