隼人はすごくつらそうに言った。
「ある女に告白されて、彼女いるからって断ったんだけど、
別れてくれないと彼女に嫌がらせするって言われて……
冗談だと思ってたんだけどな……」
そう言って頭を抱える隼人。
あたしは隼人の肩をそっと抱いた。
「それでな…あの日も奈江が寝てる間に勝手に家に来て、付き合わないと奈江を殺すまで言われて………
俺、奈江を守りたかった」
隼人の言葉にあたしは涙が出た。
隼人の想いが痛いほどに伝わってきた。
あたしばっかりつらいと思ってたのに、
隼人もこうやって苦しんでたんだ。
もしかしたらあたし以上に。
あたしは隼人を抱きしめた。

