「どうしたの?」 あたしは昭弘の元へとかけよった。 久しぶりに会う昭弘は、少し大人っぽくなっていた。 「ちょっと奈江に話があってな。会いに来たんだ」 「高校遠いのに……わざわざありがとう」 「いいって! 俺が勝手に会いにきてるんだから」 そう言って昭弘は笑った。 童顔な昭弘は笑顔がすごく愛らしい。 昭弘の笑顔は、人を幸せにする力があると思う。 「帰りながら話そう」 あたしは昭弘と一緒に歩き始めた。 あたしたちを見つめる1つの視線に気付かずに……