武井の視線にその男子は、一気に顔が真っ青になった。 武井は掴んでいた腕を勢いよく振り払った。 その瞬間、 男子は床へと思い切り尻餅をついた。 「さっさと出ていけ。もう二度とこいつに近付くな」 武井がそう言うと男子は一目散に逃げ帰った。 あたしは気が抜けて座り込んだ。 そして涙が溢れた。 「おいっ! 大丈夫か?」 武井は心配した表情であたしにかけよった。 恐怖感と武井が来てくれた安心感で、 あたしは涙が止まらなくなった。