「あなた、杏里も何か考えがあって…」

「お前は黙っていろ」

父は同じソファーに座る隣りの母をキッと睨んだ
今度は真向かいのソファーに座るあたしを睨んだ

「職もろくに就こうとせず、大学に行かない
馬鹿だったんだからしょうがないと見過ごしてやっていたのを…
自分が楽になることを考えて馬鹿をもっと働かせたか」