8m、6m…


「江理っ!」



ガシッ


純ちゃんが私の腕を力強く掴んだ。



「純ちゃんどうしたの?」









「佐藤の告白の返事…どうなった!?」

純ちゃんがまた、ぎゅっと力を入れる。



あ…目が真剣だ。

その表情が、またかっこよくて…ドキドキした。



「断ったよ?あんまり、佐藤君のこと知らなかったし。」


私が正直に話すと…



「本当に?」



「うん」



「よかった・・・」



純ちゃんが腕を、おもいっきり強くつかんだ。



「純ちゃん…腕、ちょっと痛いかな…」



「あ、ごめん…」




「それより…なんでここにきたの?」



「佐藤が部屋に戻ってきたら、なんかしらないけど…


体が勝手に動いた。」



「どうして?」



「朝から、佐藤が江理のこと好きって聞いてて…
協力しなきゃなって思ってたから、江理とあんまりしゃべらないようにしてた。

江理と佐藤がくっついたら、卵焼きも食えなくなるんじゃないかなって思って…不安になってさ。」


「そんなことないよ…
私は、純ちゃんが食べたいって言ってくれたらいつでも作るよ」



「ありがと、じゃ…オレ、もうそろそろもどるわ。じゃーな江理。」


「うん」