幸多に瓜二つのまるで幸多の分身のような少年は、幸多を見て口を開いた



「幸多、だれこいつ?」



透はまたもや驚いてしまった



幸多と同じ顔の人物は、顔に似合わない無礼な態度をとっていた



というのも、幸多は小学生とは思えないほど大人びたとても出来た性格をしていた



友達や学校の先生には絶大なる信頼を得ていて、決して無礼な態度をとったりはしなかった



だから双子の奏多と幸多の態度の違いぶりは、不可解にさえ思えた



幸多は奏多に答えた


「友達。名前は小柳透。学校、同じなんだ。だから4年生から奏多の同級生…、あ、クラスメイトになるかもな」



幸多のほうは相も変わらずニコニコして言った



弟は無表情のまま「ふーん」と目線を透に戻す



「双子…だったんだ。そっくり」



透は思わずそう声を漏らす


「そう、双子って言ってなかったっけ?弟の奏多、よろしく」



幸多が奏多の代わりにそう言うから頼りない声で透も答えた



「…よろしく」