「相原さんが、何?」
「なんか見たことあると思ったんだよな。幸多と仲良かったっけ?」
透は「ああ〜」と間の抜けた声をだして、斜め上を見上げた
「幸多と相原さん、委員会同じだった。クラス委員。だからといって、仲良いってほどでもないと思うけど」
「なるほどね、だからか」
奏多は冷めた声でそう呟いて、またパンを一口食べた
透は内心、拍子抜けしていた
透は奏多が個人的な理由であの女子について聞いてきたのかと思った
でも結局は幸多といるところを見たことを覚えていて、それが、幸多が原因であの女子について聞いてきたんだ
幸多が理由じゃなかったら、他人に興味を持つなんて奏多にとったらほぼないことなのに
透は奏多を一瞥して、すぐ目を反らした
顔は確かに似ている
変わらない
性格も同じ
ただし奏多は表面的に
奏多は
決して幸多とは違う性格だった
それこそ似てもにつかない、性格だった

