昼休み、奏多は喉の奥のなにかつまったものを吐き出すようにため息をついた
渡り廊下の鉄の段差に腰をかけて曇った空を眺める
そんな奏多の様子を見て、透が聞いた
「何かあった?」
奏多は透のほうは見なかった
「なんか…、俺が俺だってバレた」
「はぁ?」
透は何の話か飲み込めないようで、眉をひそめた
「相原真琴だよ、あいつ幸多じゃなくて俺だってわかったんだ」
透は目を丸くさせた
「奏多、相原さんにもやったのか?」
透は奏多のやったことをすぐに理解できた
「昨日な」
「んで、相原さんはわかったわけ?見分けたってことか?」
奏多は頷いた
透は身を乗り出すようにまた質問する
「どんなヘマしたんだよ?」
奏多はそう言われて不愉快そうに透を見た
「ヘマなんかしてねーよ。なんか知らないけど、あいつ、わかるみたいなんだ」
「まじで!?」

