奏多は朝、教室に入る前に思わず顔がひきつりそうになった
こんな気持ちはほんとに久しぶりだ
奏多に対する挨拶を、奏多は笑顔でかわしようやく席についた
隣にはいつも通り相原真琴が座っている
奏多はいつも通り、挨拶をした
「おはよう」
相原真琴は目だけ奏多に向いて返事をした
「おはよう」
すぐに反らした相原真琴の目は、いつもより泳いでる
この上なくきまづい
相原真琴の性格だから、奏多に何か聞きたくても聞けないんだろう
奏多は机の横にカバンをかけて、席に座った
まもなく担任の教師が現れて、ホームルームが始まった
いつも通りだった
ただいつもより奏多は右半身が緊張で強ばっていた
右隣の相原真琴はどう思ってるのかは、奏多にはわからない