新学期が始まって1カ月がたった



たった1ヶ月だというのに、クラスはもうすっかりなじんできていた




そろそろ席替えもあるらしい


奏多は隣の席を尻目に見た


もう名前は覚えた


相原真琴(アイハラマコト)





何度か話して幸多の話しもした


おとなしそうな外見に何の意外性もなく、少し小さめな声で目を反らして話す子だった



やはりと言うべきなのか彼女のクラスの友達は、彼女と似たひかえめな女子達だった



とくに奏多はそんな彼女、いやクラスメイト全員に何の期待も、特にこれといった感情もなかった



自分のこの平穏な日々が誰にも邪魔されないなら、奏多はそれでよかった



ただ奏多は相原真琴にある勘を抱いていた


そして奏多は、その勘は的中しているという自信があった



真実であると決め込んでいた