新学期でクラス替えされたばかりなのに、幸多は相変わらずの人当たりで、すでにクラス中の人望を集めていた



もうすでに幸多のことを狙う女子の目はギラギラとした様子である



幸多はそんなことには気づかず、誰にでも優しく、くしゃとした笑顔で雰囲気を明るくする




当たり前のようにクラス委員に推薦され、幸多は照れたようにそれを受けるのだ


決して自分から目立とうとしているわけではないのに、何故だか幸多がクラスに大いに影響を与えていた



それは幸多が持つ、人とは違うオーラとかよく出来た人柄が自然とそうさせるのだ




幸多の笑顔は人を安心させる力があった



そしてその幸多のクラスと同じ現象が、奏多のクラスでもまるでコピーしたみたいに起こる



奏多と幸多は双子で、学校では非常に有名であった


ちなみに幸多が兄、奏多が弟である



2人は一卵性で顔はそっくり、さらには、体型も髪型も性格も全部同じだった



双子というだけでも目立つのに、他人に露出するところは全て同じ、それになかなか端正な顔立ちをしていてなおかつ性格が非常に良い



話題になって当たり前だった



そんなにそっくりな2人だが、誰も幸多と奏多を見間違えることはなかった