「見やすいなー、ここ」 内原が何かいいたげに言った。 「何が?」 「高添」 内原はキッパリと言った。 「………あの、もう何もないしι」 「知ってるよ、しかも新田と付き合ってる でもどっかお前目で高添追ってるじゃん」 「そうかぁ?気のせいだよ」 はぐらかして俺は応援席に座った。 確かに、応援席は2階にあり、しかも今居るのは前列だから会場は見やすい。 (だからって高添を見たい訳じゃねぇよ...!)