「あ、品濃…ッ!」 新田だった。 新田は、俺が新田の消しゴムのカバーを外している事に気付いて、顔を真っ赤にした。 「新田...」 「……好き、だよ」 新田は、静かに俺に近付いた。 「……好き。品濃」 ジッと見つめて来る。 「新田…でも、俺…」 頭に浮かぶのは、高添。 「……未紀ちゃんか」 「えっ!?」 「知ってるよ、未紀ちゃん、品濃の元カノでしょ?」 新田は、俺から消しゴムを取り、筆箱に入れた。 「未練、あるんでしょ?」 「………」 他人に初めて言われ、胸がはねた。