「……なに泣いてんの」 品濃はいつの間にか起きていた。 背中に品濃の体温を感じる。 目には映らないけど、 心配そうにしてる品濃が想像出来た。 スルッと品濃の腕がうちのお腹辺りに来て、起こされた。 「また泣いてる」 品濃はうちの前に来て、いつの間にか流していた涙を拭う。 「また、広也?」 また、ばかり。 「広也と品濃」 正直に言う。 「珍しい」 品濃はうちの頭を撫でる。