「高……添」

品濃はそう呟いて、横に体を向けた。


冷たい床が体に当たる。



(冷たい...)


毛布をなんとかして、
品濃とうちの体に掛けた。


(抵抗するの面倒だし、起きるまで待つか...)


うちは品濃に身を任せ、しばらく寝転んでいた。



広也と死別して、二ヶ月も経つのに、未だに広也を忘れられない。

唇にも、まだ広也とキスした熱が残っているような気もしていた。


隣のクラスに行くと、
広也の机には菊の花が
置かれている。

それを見る度に苦しくなる。