ホント、想い合ってるな…。


俺は高添が帰ったあと、病室に入った。



「あ、品濃」

広也は涙を拭いながら言った。


「いよいよだな。頑張れよ」

俺は広也の肩を軽く叩いた。


「もちろん!成功すれば良いな……」

「簡単なんだろ?」

簡単じゃないことくらい、五日前から入院して
なんてやってる時点で
分かる。

でもカマかけた。


「簡単でも失敗はつきものだしな。油断は出来ねぇよ」


広也は悲しげに笑う。