その日以来、高添と会うことは無かった。


学校でも会わず、すれ違いもしなかった。


学校では広也は手術をするということしか伝えてなかった。


ぽっかり空いた広也の机が妙に寂しく見えた。




手術前日。

学校帰りに病室に寄った。

病室のドアを開けようとしたら、高添の声が
聞こえた。

思わず伸ばした手を引っ込めた。


「広也、絶対生きて帰ってきてよ…?」

震えた声で高添が言ってる。

「大丈夫だから…な?」

広也も震えた声。


「……ッ」


静かになった。

どうせ、キスでもしてんだろ。