高添 未紀...Side


「え…?」


まさか、アイツに話し掛けられるとは…。


目の前に居ることは気付いてたけど。


「だから、血、膝」

単語を並べるだけのアイツ。


「あー、ホントだ。まぁ大丈夫だよ」


うちはサラっと流して、階段を上がった。


歩く度に溢れる血は、今流せない涙の分なのかもね。

泣きたくなった。



わからないけど、泣きたくなった。