「心配性だな…未紀は」


広也はそう言って、マスク越しにオデコにキスした。


「ごめんな。治ったら
ちゃんと口でするし((笑」

ニカッと笑う広也に、
もう昔の無邪気な元気は無かった。



合唱コンクールの練習がいよいよ大詰め。

どのクラスも白熱してる。


うちは、どこか広也が
気になって仕方なかった。


「高添!ほら、課題曲と交代!」

「あっゴメンねι」


ボンヤリとしてしまう。

でも、クラスも大切だ。ましてやうちは自由曲という大切な伴奏をやるんだから……。