「お待たせ。 ……あれ?」 緤を見て凰は口ごもった。 「凰くん、今日この後ゆあちゃん 借りてもいいかな?」 え……?! その言葉にも驚いたけど その後の行動にもっと驚いた。 何それ、とか言葉に反応したくてもできなかった。 あたしの体がふわっと浮いて そのまま方向転換し凰が見えなくなった。 視界が揺れ さっきまでいた店からだんだん遠ざかって行く。 ……そうあたしは さらわれたのだ。