花は香り 人は何?





不意に背後に人の気配がした気がして、さっと横へずれる。



「わっっ、」



驚いたようにそう言ったのは、私ではなく、いつの間にか私の後ろにいたユリウスさんだった。




そして勢い余った彼はバタンとコメディーのように顔から地面に倒れた。



「いててっっ、」




起き上がって痛そうにするユリウスさんに、ルイ様からため息が落とされる。




「ユリウス、今何をしようとしていた?」




冷たく吐き出されたそれに動じる事もなく、ユリウスさんはハハハーと笑う。




「いやー、



ただ肩に腕を回そうとしただけですよ。



僕なりに彼女と親睦を深めようとっぶへっっ」



残念な声を上げて再び倒れたユリウスさんに、あ、となる。