「さあさあ、ここで休んでなさい。」 「すみません。」 通されたのは、アラビアンな装飾の施された美しい部屋。 「あんたたちは、馬車から荷物おろして持ってきてちょうだい。」 「あっ私が持って来ますので。」 ユスク様が、男性陣にそう言うので思わずそう言葉を挟む。 荷物を下ろす事をすっかり忘れていた。 「いいのよ、別に。 ユリウスはそれが仕事だし。 ルイ様だって暇そうだし。」 「いえ、でもなんだか…」 王子に荷物を運ばせるのは、侍女としてダメな気がする… 「俺は構わない。」