「ありがとうございます。
わたしはカティーナで、こちらは、メイナです。
これから迷惑かけると思いますがよろしくお願いいたします。」
「あらあら。
きちっとした子ねえ。
ルイ様の乳母のユクスです。
でこっちが、」
「息子のユリウスです。」
そう言ってにやっと笑ったのは、御者さんだった。
「母さん、
メイナちゃん体調悪そうだから、早く休ましてあげないと。」
「確かにそうね。」
「少し馬車に酔ってしまって。」
そうメイナが言う。
「あらそれはごめんなさい。
こっちに着いて来て。」
そう言って歩き出すと、ユリウスがすかさず、メイナの肩を持って支えている。
気が利くというか、慣れていると言うか。

