動こうとした所を手を掴まれ後ろに引っ張られる
驚いて後ろを向くと、思ったより端正な顔が近くにあってさらに驚いてしまう
「君の名前はなんという?」
へ?
と思ったが、ここはこっちも王族
そんな事を言わずに質問に答えてみせた
「カ……ティーナです」
危なかった
さすがにカトリーナと名乗るのはやばすぎる
ふぅと心の中でため息つく
次の瞬間、相手の気配が鋭くなった事に気がつく
その目は疑うようにこちらを見つめてきた
「お前は何者だ?
その身のこなしただ者ではないな」
その言葉に自然と表情が強ばる
もしかして王族である事がばれた?
「フローラ国の侍女でございますが」
緊張をさとられないよう感情を押し殺して答える
それによって自然と言葉がきつくなったが今はそれどころではない
不自然にならないようそっと手も引き離す

