花は香り 人は何?




そこまで観察して彼が寝ていない事に気がつく



「大丈夫ですか?」



具合が悪いのではないかと心配になる



すっと開いた瞳は空のような澄んだ青だった


直後その瞳がこぼれんばかりに見開かれる




「お飲み物をお持ち致しましょうか?



それとも休憩できるようお部屋をご用意いたしましょうか?」



「少し休みたいから部屋を用意してくれ」



呆然としていたにも関わらず荘厳な態度だった事に少し驚く



さすが王族ね



人を使う事に慣れている



「かしこまりました」


部屋を用意するため、すっと立ち上がって一礼すると後ろを向く



侍女なんて初めてやってみたけど、うまく出来たかしら?