花は香り 人は何?




どうしたのかしら?



そう思い起こさないようそっと近付いた



目線を合わせるように目の前にしゃがみこむ



彼は思わず息を飲むほど端正な顔をしていた



その雰囲気はどこか女性を彷彿とさせる



布からはみ出た銀髪は月明かりに照らされて、きらきらと輝きを放っていた



ウラノス国にしては珍しい髪色ね



それに白い肌も



ウラノス国の人は黒髪が多い



それに肌の色も基本的に濃い



本当にウラノス国の人?



疑いの目を向けていると彼の組んでいる腕のきらきらとしている物に気がつく




きれいな腕輪



よく見ると文字が掘ってある



【ウラノスの血を引き継ぐ者】



…ウラノスってウラノス国の創造神だよね



私の国で言うフローラ様と同じ立場のお方



私達はフローラ様の血を引いていると言われている




だからこの国をまとめるのにふさわしいとして王族でいられるのだ






………もしかしてこの人王族!?