花は香り 人は何?




「君の名前はなんという?」



思わず口に出たのはこんな言葉だった



突然の質問に戸惑っているようだ



だがかろうじてこう答えた




「カ……ティーナです」




「カティーナか」



「はい



どうかなさいましたか?」



侍女は不思議そうに首をかしげた



すると頭に被った布からするりと金色の髪がこぼれ出た



その瞬間はっと我に返る




本当に聞きたかった事はこんな事ではない



「お前は何者だ?



その身のこなしただ者ではないな」



そう言うと侍女は怪訝な顔をした



「フローラ国の侍女でございますが」



そう言うと俺の手をそっと振り払った



その行動はなんだか俺を拒絶しているようて、胸が苦しくなる



前にもこんな事が…