一枚のフォト


荘汰Side

席に座り斜め前にいるカオルを見る。


(安心して寝てる・・・。)

カオルはとても幸せそうな顔をして寝ていた。
かわいいなぁ・・。
俺はそう思い前に向き直った。

「荘汰くぅん♪」
「あ・・楓ちゃあん。」


楓ちゃんは俺のほうを向き微笑んだ。
俺はそれに答えるようにして微笑んだ。
すると楓ちゃんは顔を真っ赤にした。

「荘汰くんってさ、何でカオルちゃんと付き合ったの?」
「ん~大好きで独占したいって思った。」
「・・ふーん。あたしのことどう思う?」
「え・・・急に言われてもわかんないよぉ・・。」
「・・じゃあさ、明日一緒に沖縄まわんない?」


楓ちゃんからの急なお誘い。
俺は戸惑った。
だって・・一日もカオルと離れたくない。
カオルは何だかんだ言って結構モテる。
男子も皆そういう目でカオルを見てるのにカオルは無防備。
暑い。とか言っていきなり長いロングのストレートヘアをアップにしてうなじが見えるようにする。
そうすると男子は皆カオルを見る。
カオルはそんなのおかまいなし。
俺はそんな男子に威嚇する。
それが夏の日常。

こういうことがあるからカオルとひと時も離れたくない。


「行ってあげなよ。」
「カオル!?」

さっきまで寝てたはずのカオルがけろっとして俺の顔を見下ろす。
カオルは眠そうに目をこすると席に戻って行った。

「何で?カオルは俺と一緒にいたくないの!?」

そうカオルの席まで叫ぶとカオルは無言で首を縦に振った。

「・・・・・・・カオルひどぉい・・・・」

俺は席にうずくまった。
「んで、あたしと回ってくれるの?」
「・・・・回らない。俺はカオルとしか沖縄旅行したくなぁい~~~~!!!!!!!!」
そう叫ぶとカオルはこっちを振り向いた。

そして口パクで俺のほうを向いて言った。

(ば・か。うっとうしい。)

そう口パクでいいカオルは少し微笑み前を向いた。

ひどいよ・・・カオルぅ・・・