「そうか。まずは一歩だな。」

「だね。」


中村祐真と山川慎は嬉しそうに笑った。


「ねぇ。あたし、記憶をなくす前は2人のことなんて呼んでたの?」

「俺のことは祐真って呼び捨てだった。」

「慎くんって“くん”づけだった。」

「わかった。じゃ、今度から“祐真”と“慎くん”って呼ぶね。」


そう言うと2人は満面の笑みを浮かべた。

…早く、2人のことを思い出せるといいな。